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売れない家には理由がある!後悔しないための早期売却のすすめ

  • 弘之 林
  • 4月2日
  • 読了時間: 9分

売れない家の特徴とは?



はじめに、「なかなか売れない家」には、いくつかの共通する特徴があります。以下のようなポイントに当てはまると、不動産市場のニーズとズレが生じ、買い手にとって魅力を感じにくくなることが多いのです。順に見ていきましょう。


① 築年数が古く、建物の状態が悪い

築年数が経過した物件は、老朽化が進んでいることが多く、購入後のリフォームや修繕に多額の費用がかかると予想されるため、買い手にとっては大きな負担になります。特に築40年以上の物件になると、1981年6月1日施行の新耐震基準に適合していないケースもあり、購入を敬遠される傾向があります。


よく見られる劣化例:

  • 外壁のひび割れや塗装の剥がれ

  • 屋根の劣化や雨漏りの跡

  • 水回り・電気設備の老朽化

  • 畳や床の傷み、建具の不具合


② 立地条件に問題がある

物件の場所も、売却の成功を大きく左右する重要なポイントです。以下のような立地条件では、買い手の関心を引きにくくなります。

  • 駅やバス停から遠く、交通アクセスが不便

  • 近隣にスーパーや病院などの施設が少ない

  • 治安に不安がある

  • 洪水や地震など、自然災害リスクが高い地域


③ 内覧時の印象が悪い

内覧は、買い手が購入を真剣に検討する重要なタイミングです。このときに悪い印象を与えてしまうと、成約のチャンスを逃してしまいます。

  • 室内の掃除が行き届いていない

  • 物が散らかっていて生活感が強すぎる

  • 室内が暗い、換気が悪い

  • 修繕が必要な箇所が目立つ


④ 売り出し価格が相場より高い

価格設定は、物件が売れるかどうかを左右する重要な要素です。相場よりも明らかに高い価格では、買い手の検討対象からすぐに外れてしまいます。

  • 売主が過去の購入価格や思い入れを重視して価格を設定している

  • リフォーム費用をそのまま上乗せしている

  • 仲介業者が売主に気に入られたい一心で、実際の相場より高めに設定している


⑤ 信頼できない仲介業者に依頼している

売却をサポートする不動産会社の対応も、スムーズな売却には欠かせません。以下のような業者に依頼していると、なかなか売却が進まないこともあります。

  • 自社の利益を優先し、他社の買い手を排除してしまう

  • 広告や宣伝に力を入れず、物件情報が十分に広まらない

  • 相場より高い査定をし、売れないまま長期間放置する

  • 売主に寄り添った丁寧な対応をしない


売れない家を放置するとどうなる?



次に、売れない家をそのままにしておくと、どんな問題が起こるのかを見ていきましょう。

中でも最も大きな負担になるのが「維持費」です。所有しているだけで、以下のようなコストがかかり続けます。


  • 固定資産税:所有している限り、毎年必ず発生する税金

  • 修繕費用:屋根や外壁など、老朽化した部分を修理・維持するための費用

  • 管理費:清掃や草刈り、空き家であれば定期点検などを管理会社に依頼する費用


これらの費用は毎年積み重なっていき、家計への負担となります。特に、老後の生活資金に限りがある場合や、収入が減っている時期には、こうした出費がより重く感じられるでしょう。

さらに、「手が回らない」「後回しにしてしまった」といった理由で管理が行き届かなくなると、建物はどんどん劣化し、資産価値も下がってしまいます。


売れない家を放置すると起こるリスク



売れない家をそのままにしておくと、時間の経過とともにさまざまな問題が発生する可能性があります。以下に、主なリスクをまとめました。


① 建物の外観がどんどん傷んでいく

まず、建物の外観は第一印象を左右する大切なポイントです。放置された家では、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋根瓦の破損といった劣化が進み、見た目が悪くなっていきます。

これらは買い手にとってマイナスの印象となり、購入をためらう原因に。また、外観の悪化がご近所からの印象を悪くし、近隣トラブルにつながることもあります。


② 水回りにトラブルが増える

次に、長期間使われていないキッチン・浴室・トイレといった水回りは、劣化しやすい部分です。カビやサビの発生、水漏れ、配管の詰まりなどが起きやすく、修繕にはまとまった費用がかかるケースもあります。


③ 資産価値がどんどん下がっていく

老朽化が進むにつれ、建物としての価値もどんどん低くなっていきます。特に築年数が長くなると、建物の耐用年数を過ぎ、評価されるのは土地の価値だけになることも。

さらに、劣化が進むと「建物としての利用価値がない」と判断されてしまい、売却が一層難しくなるという悪循環に陥ってしまいます。


④ 住宅ローンの返済が困難になるリスク

また、築年数が経つほど修繕費がかさみ、思いがけず出費が増えてしまうことがあります。その結果、住宅ローンの返済が難しくなり、借金が膨らんでしまうケースも。返済不能になると、金融機関が担保としている物件を競売にかけ、ローンの回収に動く事態にもつながります。


⑤ 行政からの指導や命令が入る可能性も

さらに、空き家として放置された家には、行政からの指導や解体命令が下る可能性もあります。特に、2023年12月13日に改正・施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、こうした対応はより厳しくなっています。


想定される流れは以下の通りです:

  • 管理不全空家等の指定:安全面や衛生面で問題があると判断され、改善の指導・勧告が入る

  • 特定空家等の指定:改善が見られない場合は「特定空家等」とされ、固定資産税の軽減措置が解除される

  • 行政代執行などの対応:最終的に行政が所有者に代わって解体や修繕を行い、その費用を請求される可能性もあります


早期売却が資産を守るカギ!



首都圏の中古一戸建ては、一般的に不動産市場に出してから契約に至るまで「3ヶ月以内」がひとつの目安とされています。しかし、それ以上の期間が経っても売れない場合、その物件は「売れ残り」として見なされてしまい、買い手からの印象も悪くなってしまいます。

住宅購入は、買い手にとってとても慎重になる大きな買い物です。多くの方が不動産ポータルサイトやチラシなどを使って複数の物件を比較しており、そうした中で「長く売れていない物件=何か問題があるのでは?」と敬遠されてしまうことが少なくありません。

売れない家でも、適切な対策を講じることで早期に売却できる可能性は十分あります。早めに行動することこそが、資産を守るカギとなるのです。では、具体的にどう進めていけばよいかを見ていきましょう。


① 一度、市場から取り下げてリセットする

もし、売り出してから半年以上経っているなら、一度思い切って物件を市場から取り下げるのも有効な方法です。長期間売れ残っていると、それだけで「売れない物件」というイメージがついてしまいます。

一旦取り下げることで、印象をリセットし、タイミングを見て「新たな物件」として再度売り出すことができます。


② 仲介業者の見直しを検討する

思うように売却が進まない場合は、今依頼している不動産会社の対応を見直してみるのも一案です。会社ごとに得意なエリアや物件のタイプが異なるうえ、担当者の営業スキルにも差があります。

中には、両手仲介(売主・買主の両方から手数料を得ようとする)を目的に、他社の買い手を排除してしまうような不誠実な業者もいます。信頼できる業者を選ぶことが大切です。


③ デメリットを“強みに変える”工夫をする

物件にデメリットがある場合でも、それをうまく強みに変えてアピールすることがポイントです。以下のようなアプローチが効果的です:


  • 築古物件 → 「リノベーション向け」として、自分好みにアレンジできる魅力を伝える

  • 立地が不便 → 「静かで落ち着いた住環境」「広めの土地」などポジティブな面をアピール

  • 老朽化が進んでいる → 「更地活用」の可能性を提示し、土地としての価値を強調


④ 内覧時の印象を改善する

室内が散らかっていたり汚れていたりすると、どんなに立地や価格が良くても買い手の心には響きません。内覧時の第一印象は非常に重要です。


  • プロの清掃業者に依頼して全体をきれいに保つ

  • ホームステージングで生活のイメージが湧く空間づくりを行う

  • 窓を開けて明るく、風通しの良い空間を演出する


⑤ 建物状況調査(ホームインスペクション)を活用する

専門の第三者機関による「建物状況調査」を行うことで、物件の状態を正確に把握し、買い手にも安心材料として提示できます。

問題がある箇所はあらかじめ報告しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、信頼度もアップします。


⑥ 耐震基準への適合を検討する

もし物件が1981年以前の旧耐震基準で建てられている場合、買い手にとって耐震性の不安が大きなマイナス材料となります。住宅ローンの利用が難しくなるケースもあり、成約を妨げる原因に。

可能であれば耐震補強工事を行い、「耐震基準適合証明書」を取得することで、住宅ローン控除などの優遇も受けられ、買い手にとって大きな安心材料となります。


⑦ 販売戦略を見直し、再スタートする

最後に、あらためて販売戦略を立て直し、再度市場での売却活動をスタートさせましょう。


  • 古家付き土地または更地として売る:老朽化が進んでいれば土地の価値にフォーカスする

  • 修繕・リフォーム後に販売:明確なターゲット層に向けた訴求を行う

  • 売り出し価格の見直し:周辺相場と照らし合わせて、適正価格に設定する

このように、適切な手順で見直しを行うことで、「売れない家」でも売れる可能性は十分にあります。大切なのは、あきらめず、柔軟に戦略を調整しながら早期売却を目指すことです。


売れない家は「不動産買取」も検討してみましょう!

「なかなか売れない…」「費用や手間をあまりかけたくない」「できるだけ早く現金化したい」そんな場合には、不動産会社による「買取」を視野に入れるのも一つの方法です。

通常の仲介による売却とは違い、不動産買取では業者が物件を買い取り、後にリフォームなどで付加価値をつけて再販売することを目的としています。そのため、売却価格は市場相場よりも低めに設定されるのが一般的です。

とはいえ、買取ならではの大きなメリットもあります。


① 仲介手数料がかからない

通常の仲介売却では仲介手数料が発生しますが、買取は不動産会社との直接取引のため、手数料が不要です。また、話がまとまりさえすれば、高い確率でスムーズに売却が成立する点も安心材料です。


② 今のままの状態で売れる

老朽化が進んでいる物件や、手を入れていない空き家でも、そのままの状態で買い取ってもらえるのが大きな魅力。リフォームやハウスクリーニングなどの手間や費用がかからず、売却後に「不具合が見つかった」などとクレームを受けるリスクもほとんどありません。


③ 売却までのスピードが早い

一般的に、仲介による売却は買い手が見つかるまで3ヶ月~半年以上かかることもありますが、不動産買取であれば、早ければ数週間以内に現金化が可能です。「すぐに売りたい」「相続後の手続きを急ぎたい」など、スピード重視の方にとっては大きなメリットです。



このように、不動産買取は「多少価格が下がっても手間なく・早く売りたい」という方にとって、有効な選択肢のひとつです。状況に応じて、仲介売却とあわせて検討してみるとよいでしょう。

 
 
 

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